2022年2月14日
食べ物・飲み物私たちの体を支えている骨は、年齢とともにもろくなっていきます。さらに透析患者さんは腎臓の働きが低下しているため骨がもろくなりやすいといわれてます。今回は透析患者さんと骨の代謝についてみていきます。
■骨はどうやってつくられるの?
骨のほとんどはカルシウム(Ca)からできています。古くなった骨は破壊され(骨吸収)、破壊された場所には新たな骨が作られます(骨形成)。このようにして私たちの骨が日々作られています。これをモデリングといいます。モデリングには副甲状腺ホルモンやビタミンDなどが関与しています。カルシウムは体内で作れない栄養素です。骨の素であるカルシウムはどのように代謝されるのでしょうか?
■透析患者さんはなぜ骨がもろくなるの?
●健常者のカルシウム代謝
カルシウムの代謝にはビタミンDが関わってきます。ビタミンDは腎臓で活性化されて「活性化ビタミンD」に変化し、腸にあるカルシウムの代謝を助けます。また血中のカルシウムが不足すると副甲状腺からホルモンがでて骨から血中へカルシウムを放出します。
●腎機能が低下すると・・・
透析患者さんは腎機能が低下しています。腎臓の機能が低下すると、ビタミンDが活性化されないため、腸でのカルシウムの吸収が低下し、血中のカルシウムも低下します(低カルシウム血症)。低カルシウム血症になると、副甲状腺ホルモンが多く分泌され、骨からカルシウムが血中に補われます。そのため、骨がもろくなり骨折しやすくなります。また骨からのカルシウムはリンも結合しているため、血中にリンがたまりやすく、高リン血症にも注意が必要です。
■カルシウムはどんな食材に含まれる?
食品100gあたりのカルシウム量
実はカルシウムは体内に吸収されにくい栄養素です。食材で吸収率が異なります。摂取したときの吸収率は、牛乳約40%、小魚約33%、野菜類約19%と言われています。せっかく食べるなら効率よくカルシウムを吸収したいですよね。
カルシウム吸収率について
△吸収を悪くする
・カフェインを含むもの(コーヒー等)
・シュウ酸を含むもの(玉露、せん茶等)
◎吸収を良くする
・ビタミンDを含むもの(魚介類、きのこ類)
・ビタミンⅭを含むもの(果物、野菜類)
・マグネシウムを含むもの(大豆類やピーナツ)
ポイント
カルシウムの多い食材はカリウムやリンも多く含まれます。料理に少量いれるなど適量を心がけましょう。透析患者さんのカルシウムは薬剤で調整することがあります。使用の際は医師の指示に従いましょう。
■透析食.comからのおすすめレシピ
★カレイのキノコクリームソース ▼こちら▼
クリームソースがカレイに絡んで絶品です。カルシウム豊富な牛乳と、ビタミンD豊富なきのこでカルシウムの吸収率アップ!
栄養成分
エネルギー152kcal
タンパク質13.9g
塩分1.2g
カリウム462mg
リン176mg
水分量142ml
カルシウム63mg
★ベーコンサラダ ▼こちら▼
カルシウム豊富なチーズを使ったサラダです。少量ですがチーズがいいアクセントです。朝食などにどうぞ♪
栄養成分
エネルギー112kcal
タンパク質5.3g
塩分0.6g
カリウム207mg
リン133mg
水分量74.8ml
カルシウム97mg
色々な食材を組み合わせて、積極的にカルシウムを取り入れ、強い骨を手に入れましょう!
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