2021年8月24日
お知らせ9月26日に大阪府栄養士会 透析食研究会様が開催されたオンライン勉強会でいただいた質問への回答です。
Q:冬は寒くて、鍋を食べる機会があり、水分コントロールが難しいですがどうされていますか?
A:食べる頻度や量に注意する。具材の分量を決めて食べましょう。
ポイントは、一人鍋にする、汁を切って食べる、雑炊は食べない、です。
Q:リン吸着薬を飲み始める基準値はありますか?
A:医師の判断によります。高いことが続くと栄養士から医師に処方の相談をすることはあります。
Q:P3.12番の「のどが乾くしくみ」ですが、何グラム接種すると何ミリの水分が必要と仰っていましたか?
A:1gに対して120mlです。
Q:透析患者さんのタンパク質摂取を評価するとき、nPCRをふまえて指導することはありますか?
A:検査を計算するかは施設により違います。参考にして指導している施設もあります。
Q:どうしても間食がしたい方にはどんなお菓子をすすめますか?
A:洋菓子はリンを含むものが多いので、和菓子のほう比較的おすすめです。ただし、食べる場合は少量にしましょう。糖尿病の方は間食をお勧めできない場合が多いのでご注意下さい。
Q:年齢の若い方には有機燐(リン)、無機燐(リン)についても説明していますが自覚症状を伴わない燐高値の方に理解を得るのが難しいです。
A:今、症状がなくても長期的には合併症を発症するリスクがあることを説明し理解してもらうようにしています。
Q:祖母が透析に通っているんですが,透析をはじめ1年になります。最近水分がたまっているので体重を減らすため。食事自体を減らすと本人は言っているのですがその行動は正しいのかな?と疑問に思っています。食事内容や水分摂取には気を付けています
A:食べないで透析間体重増加を調整すると、どんどん痩せてしまい低栄養に陥ってしまいます。
水分が少なくてもエネルギーをしっかりとれる食事内容を案内します。
煮物より揚げ物料理にする、うどんを焼うどんにする、ご飯とお漬物をパンとジャム、サンドイッチなどに変更など
Q:やせすぎ、肥満の場合の体重補正の計算を教えてください。
A:決まった補正の計算式はないです。標準体重でエネルギーを計算したあと、年齢や活動量、食事内容を聞き取りして補正しています。基礎代謝を測定して参考にしている施設もあります。
Q:レンコンの水煮を使う時も、茹でた方がいいのでしょうか?そのまま使えますか?
A:そのまま使用していただいて大丈夫です。
Q:このZOOMが終了してもチャットで情報共有したいので、LINEのオープンチャットを開設していただくのは可能でしょうか?
A:ご意見ありがとうございます。今後の検討課題にさせていただきます。
Q:家族が透析をしています。下剤も服用していますが、透析後、便秘なっています。食事で気をつけていることはありますか?
A:透析患者様の便秘の原因は多岐にわたります。
・食事が少ない ・糖尿病による神経障害など病態によう影響
・薬剤による影響 ・水分制限によるもの
・カリウム制限による野菜不足(食物繊維不足)
栄養士としては偏りなく摂取すること、カリウムを注意しながら野菜の摂取を提案するなどしています。また、栄養補助食品で食物繊維を勧めることもあります。
腹部の運動やマッサージなどをご提案することもあります。
Q:検査データでエネルギーやタンパク質の過不足は何の項目を見ていますか?nPCRは病院で出していません。
A:エネルギーの過不足はドライウェイトの変動や聞き取りで確認します。
タンパク質の過不足は聞き取りに加え、BUN、K,Pの値などを参考にします。
Q:食事例2例とも紅茶がありましたが、コーヒーは問題あるのでしょうか?
A:コーヒーのほうがカリウムが高いです
Q:食品添加物に含まれているリンに関して注意した方が良い点はありますか?
A:添加物中の無機リンはおおよそ9割が吸収されます。ハム・ベーコンなどの加工肉は肉魚よりも摂取量に気を付けることと、栄養成分表示を見る習慣をつけましょう。【pH調整剤・乳化剤・かんすい・ベーキングパウダー】などは、「リン」と書いていなくても無機リンが含まれています。
Q:メニューにカロリーやタンパク、塩分、リンなど記載されていますが、選ぶ際の優先順位はありますか?
A:ぞれぞれの方の状態により優先順位は違います。ただし、たんぱく質食品をとり過ぎると
リン、塩分、エネルギーも多くなります。一つを注意することは全体を注意することに
つながります。
Q:減塩調味料は、塩化ナトリウムのかわりに塩化カリウムを使用していると知りました。透析患者さんは特に減塩調味料を選ぶであろうと思いますが、指導するにあたり、減塩調味料を勧めるべきか迷っています。
A:ご指摘の通り、減塩しょうゆなどはナトリウムの代わりにカリウムを使用し、注意が必要です。「減塩調味料ならたくさん使っても大丈夫」と思われると、結果摂りすぎてしまうこともあります。成分表示を確認する他に、だし醤油やハーブ塩でうまみを足して塩味を引き立たせるなどの工夫ができます。
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