2021年10月5日
透析を始める方へ透析患者さんにとって毎日の食事管理はとても大切です。
しかし、毎日献立を考えることは大変ですよね。
今回は献立をたてる際のポイントについてみていきたいと思います。
【バランスのよい食事とは?】
①必要な栄養素がまんべんなく揃っている。
②主食、主菜、副菜がきちんととれている。
③朝、昼、夕3食きちんととてれている。
以上のことを心がけるとバランスの良い食事になります!
それに加えて透析食は・・・・
★塩分1日6g以下、水分量に気を付ける。
★カリウム、リンをとり過ぎない。
★エネルギー、必要なたんぱく質をしっかりとる。
注意しなければいけない点が多いですがポイントを抑えながらみていきましょう。
★塩分1日6g以下、水分量に気を付ける。
水分と塩分量は深い関係にあります。
塩分摂取量が多い➡喉が渇く➡水分が欲しくなる
透析患者さんは水分制限が必要になります。塩分が多い食品として、かまぼこ、ちくわなどの練り製品、漬物などが挙げられます。しかし、食べてはいけないということはありませんので、味のアクセントとして副菜などに取り入れてみてください♪食べ過ぎないように自分で管理しましょう。
<塩分を多く含む食材例>
★カリウム、リンをとり過ぎない。
カリウムやリンを多く含む食品を頭に入れておくと、献立が立てやすくなります。
主菜の肉、魚の摂取の目安は60g程度です。副菜で使用する食材は小鉢に入るくらいの重量(60~70g)を目安としてください。
また果物の1日の目安はカリウム100mgです。果物によってカリウム量が異なりますので食べ過ぎにはご注意ください。
<カリウムが多い食材>
<リンが多い食材>
※詳しい参考コラム
★エネルギー、必要なたんぱく質をしっかりとる。
色々と制限はありますが、しっかりとエネルギーやたんぱく質を摂ることは大切です。
エネルギーを確保するためにも、主食(ごはん・パンなど)は3食しっかり食べるようにしましょう。
例えば基準エネルギー値が1800kcalの人は、ご飯1食180g、パン1食4枚切り1枚が目安です。
1600kcalの人は、ご飯1食140g、食パン1食5枚切り1枚が目安です。
制限があるからといって食事をすることをやめてしまうと、筋肉の減少や低栄養状態になるなど命の危機となります。
たんぱく質が多い食材は、リンが多く含まれています。
たんぱく質を多く含む食材を選ぶ基準として、リン/たんぱく質比があります。
詳細については下記のコラムをご参照ください。
※詳しい参考コラム
透析食.comでは、毎日献立を更新しています。
ぜひご参考にしてみてください。
【透析食.comでは独自の栄養基準値を作成しています。】
※標準体重56㎏の場合
エネルギー 1792kcal
たんぱく質 56g
塩分 6.0g以下
カリウム 2000mg以下
リン 840mg以下
水分 840ml
◎献立作成の例①
【朝】
・ごはん(180g)
・炒り豆腐
・カニとわかめの和え物
【昼】
・ごはん(180g)
・和風タンドリーチキン
・にんじんのかき揚げ
・抹茶白玉
【夕】
・ごはん(180g)
・タラのムニエル
・ウインナーとキャベツのソテー
・ホットサラダ
【1日の栄養量合計】
●エネルギー 1854kcal
● たんぱく質 60.5g
●カリウム 1776mg
●リン 806mg
●塩分 4.1g
●水分 918.6ml
【献立①のポイント】⇒①のレシピ詳細はこちら
★1日の献立の中に肉、魚、大豆を取り入れ良質なたんぱく質を取り入れましょう。昼は魚、夕は肉など先に主菜を決めると献立が立てやすくなります。
★昼の主菜の調理方法は「焼き」なので、副菜に揚げ物を取り入れることで、全体のエネルギー量をアップすることができます。調理方法が、煮る、蒸すなど油をあまり使用しない調理法は、エネルギーが低くなりがちですので注意しましょう。
★海藻類で、ビタミン、ミネラルも忘れずに。海藻類はカリウムが多いので和え物や汁物に少量取り入れましょう。水に戻すだけで簡単に使えるものが多いので手軽に使用できます。
◎献立作成の例②
【朝】
・ごはん(180g)
・はんぺんのソテー
・焼ききのこのおろし和え
【昼】
・生ハムと絹さやのパスタ
・イタリアンサラダ
【夕】
・ごはん(180g)
・鮭とコーンの味噌バターホイル焼
・三色酢の物
・ふわふわ抹茶ムース
【1日の栄養量合計】
●エネルギー 1701kcal
●たんぱく質 60.5g
●カリウム 1937mg
●リン 809mg
●塩分 4.6g
●水分 793ml
【献立②のポイント】⇒②のレシピ詳細はこちら
★朝食に使用しているはんぺんは塩分が高い加工食品です。使用量は少なめにしましょう。
★昼食のパスタは、主食➡麺、主菜➡具材になるので副菜の品数は少な目に。パスタは汁気が少ないのでおすすめです!
★夕食の主菜は、調味料に味噌とバターを使用しているため塩分が高いメニューです。副菜は酢の物にすることで減塩できます。もやしなどのカリウムが少ない食品を副菜に取り入れて調整しましょう。きのこ類はカリウム量が多いですが、ビタミン、食物繊維なども豊富に含まれます。量を調節しながら献立に取り入れましょう。季節に関係なく手に入りやすいのもいいですね♪
【さいごに】
食事は毎日のことで何にしようかと悩みますよね。透析食は、ポイントを押さえて食べる量に注意すれば、基本的に食べられないものはありません。体重や検査値を確認しながら、自分に合った食べ方を把握していきましょう。食べ方に迷った時は医師や管理栄養士に相談してみてくださいね。
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