お酒の種類とおつまみ ~透析患者さんのお酒の選び方~ - 透析食.com
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2021年4月21日

お酒の種類とおつまみ ~透析患者さんのお酒の選び方~

透析食.com 最所春香

世の中にはたくさんのお酒の種類がありますね。透析患者さんのなかでは、お酒が好きな方もいらっしゃるかと思います。しかし透析患者さんは水分の制限が必要となるので、お酒も制限されている方も多いと思います。今回は透析患者さんとお酒の付き合い方についてみていきましょう。

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透析患者さんは、透析をすることで体内の余分な水分を排出しています。その量には限界があり、1回の透析で1リットル程度と言われています。体内に水分がたまると、むくみや血圧上昇といった症状がおき、身体に負担をかけてしまいます。
そのため、透析患者さんは水分制限が必要になるのです。

透析患者さんは、普段の食事の中でも特に水分量・塩分・カリウム・リンの量に注意することが大切です。では、どのようなお酒にこれらの成分が多く含まれるのかみていきましょう!

主にお酒の種類は、下記の2種類に分類されます。

醸造酒・・・ビール、ワイン、日本酒

蒸留酒・・・ブランデー、ウイスキー、焼酎

醸造酒
穀物や果実を酵母によってアルコール発酵させたお酒。 

コラム62_8_1イメージ

蒸留酒
醸造酒をさらに蒸留してアルコール度数を高くしたお酒。

コラム62_10_1イメージ

ビールの種類

100mlあたりの栄養成分表

エネルギー
(kcal)
カリウム
(mg)
リン
(mg)
塩分
(g)
水分
(ml)
黒ビール

46

55

33

0

91.6

淡色ビール

40

34

15

0

92.8

発泡酒

45

13

8

0

92.0

※女子栄養大監修 「栄養Pro」から引用しています。

コラム62_15イメージ

・ビールの原料である大麦や麦芽は、ほかのお酒の原料と比べてエネルギーが高いです。
・黒ビールは淡色ビールの約2倍近くのカリウムとリンが含まれており、発泡酒は淡色ビールの約1/2のカリウムとリンの量になっています。

ワインの種類

100mlあたりの栄養成分表

エネルギー
(kcal)
カリウム
(mg)
リン
(mg)
塩分
(g)
水分
(ml)
赤ワイン

77

110

13

0

88.7

白ワイン

73

60

13

0

88.7

ロゼワイン

77

60

12

0

87.4

※女子栄養大監修 「栄養Pro」から引用しています。

コラム62_20イメージ

・原料のぶどうにはカリウムが多く含まれているので、ワインは他のお酒に比べるとカリウム量が多いお酒です。

・赤ワインと白ワインの違いは発酵の違いです。赤ワインはブドウの実をまるまる発酵するのに対し、白ワインは果汁のみを発酵させます。ぶどうの皮にカリウムが多く含まれるため、赤ワインのほうがカリウム値が高くなります。

・ロゼワインは淡いピンク色をしています。原料は、赤ワインと白ワインと同じくブドウを原料としています。バラのような香りと爽やかさが特徴なワインです。

日本酒の種類

100mlあたりの栄養成分表

エネルギー
(kcal)
カリウム
(mg)
リン
(mg)
塩分
(g)
水分
(ml)
普通酒

109

5

7

0

83.7

純米酒

103

5

9

0

82.8

本醸造酒

107

5

7

0

83.8

吟醸酒

104

7

7

0

83.6

純米吟醸酒

103

5

8

0

83.5

※女子栄養大監修 「栄養Pro」から引用しています。

コラム62_25イメージ

・日本酒といっても様々な種類があります。その違いは大きく分けて米、麹、水のみを原料とする「純米系」と、純米系に醸造アルコールを加えた「本醸造系」の2種類があります。米の精米歩合によって、普通→純米→本醸造→吟醸→純米吟醸に分けられます。

・日本酒の原料はお米で、醸造酒の中でカロリーが高くカリウムやリンが低いことが特徴です。

蒸留酒の種類

100mlあたりの栄養成分表

エネルギー
(kcal)
カリウム
(mg)
リン
(mg)
塩分
(g)
水分
(ml)
ブランデー

237

1

Tr

0

66.6

ウイスキー

237

1

Tr

0

66.6

焼酎

206

0

-

0

71.0

※女子栄養大監修 「栄養Pro」から引用しています。
※「Tr」とは微量に含まれることを意味します。
※「-」とは計測できないものを意味します。

■ブランデーは、果実酒からできています。
■ウイスキーは大麦、小麦、トウモロコシなどからできています。
■焼酎は米や芋、麦からできています。

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【まとめ】

◎グラフで分かるように、ワインやビールなどの醸造酒に、カリウムやリンが多く含まれることがわかります。
◎焼酎、ブランデー、ウイスキーといった蒸留酒には、カルムやリンはほとんど含まれていません。

【お酒の選び方】

⚠お酒の種類に注意しましょう。これまで見てきたように、お酒の種類によってカリウムやリンの成分が異なります。

⚠「適量」を工夫しましょう。一般的に、純アルコール換算で1日平均20g程度とされています。
<純アルコール20gの目安>
・ビール 500ml(中瓶1本)
・日本酒 180ml(1号)
・ウイスキー60ml(ダブル1杯)
・焼酎 100ml(グラス1/2杯)
・ワイン 200ml(グラス2杯)

⚠透析患者さんは水分制限の必要があるため、上記の分量はおすすめしにくいですが、飲酒が食事をすることの楽しみの一部になるということであれば個々で管理しながら適度に摂取していきましょう。

⚠また週に2日程度は休肝日をつくりましょう。持病をお持ちの際は、治療をするうえで飲酒が好ましくない場合もあるで 担当の主治医に相談してください。

お酒には欠かせないのがおつまみですよね。おつまみを一緒に食べながら飲むことで、からだへの負担を少なくしてくれます。
しかし、おつまみにも、カリウム、リン、塩分が多く含まれているので気を付けながら食材を選んでいきましょう。
透析食.comでは、透析患者さんに役立つたくさんのレシピを公開しております。
今回はその中から、お酒に合うおつまみをご紹介していきたいと思います♪

【ビールに合うおつまみ】~鶏肉の香り揚げ~

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▼レシピはこちら▼

・・栄養成分・・
エネルギー 181kcal
タンパク質 7.9g
塩分    0.4g
カリウム  182mg
リン    89mg

<ポイント>
衣に大葉とショウガがはいることで、さっぱりとした味になります!当サイトでも人気のレシピとなっています♪

【ワインに合うおつまみ】~トマトのクリームチーズ和え~

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▼レシピはこちら▼

・・栄養成分・・
エネルギー 81kcal
タンパク質 1.9g
塩分    0.2g
カリウム  84mg
リン    26mg

<ポイント>
チーズの中でもクリームチーズは、リンの含有量は少ないのでおすすめです!

【日本酒に合うおつまみ】~揚げだし豆腐~

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▼レシピはこちら▼

・・栄養成分・・
エネルギー 149kcal
タンパク質 2.9g
塩分    0.2g
カリウム  187mg
リン    55mg

<ポイント>
豆腐には、肝臓の機能を正常に保つ働きのある良質なたんぱく質が多く含まれています♪

【麦焼酎に合うおつまみ】~たまごとピーマンの炒め物~

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▼レシピはこちら▼

・・栄養成分・・
エネルギー 98kcal
タンパク質 6.3g
塩分    0.4g
カリウム  103mg
リン    94mg

<ポイント>
米焼酎は和食がおすすすめです。
さしみや酢の物などもよく合います。

【おつまみを選ぶポイント】

⚠食べる分だけ調理しましょう。
 食べすぎの原因となってしまうので、量を決めてから調理しましょう。
⚠カリウム・リン・塩分の含有量に注意して食材を選びましょう。
 おつまみとなると、つい濃い味付けになってしまいがちです。
 日ごろから食材を選ぶときに、栄養成分に注意して食材を選ぶようにしましょう。

透析をしているため禁酒をしなければならないということではありません。
適度な量を守れば、楽しみのひとつにもなります。
ただし、飲酒をする前には主治医の先生と相談してくださいね。
自分の最適な量を把握しながらお酒を楽しみましょう♪