リンの値が高いとどうなる? ~リンの基礎知識~ - 透析食.com
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2021年3月10日

透析を始める方へ

リンの値が高いとどうなる? ~リンの基礎知識~

透析食コーディネーター 小川久美

透析患者さんが食事で気をつけなければいけないことは【カリウム、リン、水分を摂り過ぎないように気をつける】【エネルギー、たんぱく質は適切な量を心がける】ことが大きなポイントです。
なぜ制限が必要なのか、どれだけ制限が必要なのかをまとめました。
今回はリンについて紹介します。

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リンはミネラルの一種で、体内の中でカルシウムの次に多い栄養素です。
そのほとんどが骨や歯の構成成分になっており、筋肉や細胞膜などの構成にも必要な栄養素です。

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体内のリンは腸管からの吸収、細胞内外への移行、腎臓からの排泄によって濃度を一定に保っています。
しかし、透析患者さんは腎機能が低下しているのでリンの排泄ができません。
そのため、血液透析でリンを除去する必要があります。

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皮膚のかゆみ

皮膚組織内にリン酸カルシウムの微細な結晶が沈着します。
通常の透析で十分に取り除けないβ2-マイクログロブリンという物質も、骨や関節だけではなく、皮膚組織にも沈着します。
これらがかゆみを誘発する原因であると考えられています。
また、透析患者さんでは発汗や皮脂の分泌が低下するため、皮膚表面の角質層内の水分が少なくなり、乾燥肌になりやすく、
バリアの役目を果たす角質層の機能低下により、かゆみが誘発されます。

関節炎

カルシウムとリンとが結合し骨以外の様々な組織に沈着する、異所性石灰化を引き起こします。
関節がいたくて歩けなくなったり、腕が上がらなくなることもあります。

動脈硬化

関節炎と同じく、異所性石灰化が原因で起こります。
心筋梗塞、狭心症、心不全、不整脈、脳出血などになりやすくなります。

骨がもろくなる

骨の材料となるカルシウムの吸収には活性化されたビタミンDが必要です。
高リン血症になるとビタミンDの産生低下を引き起こし、骨からカルシウムやリンが溶け出して、血中濃度を保とうとします。
そのため、骨がスカスカになってしまい、骨折しやすくなります。

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腎臓が正常であれば、吸収されたリンは尿から排泄されますが、透析患者さんは尿が出にくく、リンが排泄できません。
そのため透析で除去する必要がありますが、除去できるリンの量には制限があります。
1回の透析で最大1,000mg程度除去できるといわれています。
糞便からも排泄はされますが(400㎎/日程度)、リンが多ければ多いほど週3回の透析では除去しきれず体内に溜まってしまいます。

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透析患者さんが1週間で体内から除去できるリンの量は透析、排便を合わせて約5800㎎になります。
1日のリンの摂取量を800~820以下に抑えることができると、体内にリンが溜まることはありません。
透析の効率や時間によって除去できるリンの量は変わるので、リン吸着剤を処方されている方もいらっしゃると思います。
リン吸着剤は消化管でのリンの吸収を抑える働きがありますが、あくまでも食事療法の補助的な役割です。
摂り過ぎに注意しましょう。

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