2020年10月15日
食べ物・飲み物
みなさんは秋といえば何を思い浮かべますか?
『読書の秋』、『スポーツの秋』、『芸術の秋』などさまざまありますが、『食欲の秋』は欠かせませんよね。
そんな食欲の秋に旬を迎える食材についてご紹介します。今回は【魚】についてです。
魚以外にも秋に食べたい食品はたくさんありますよね。
果物、いもについては別のコラムに詳しく記載しています。
カリウムの量について紹介していますので、ぜひこちらもチェックしてくださいね。
果物のコラムは▼こちら▼
いものコラムは▼こちら▼
秋が旬の魚はいろいろありますが、その中でも身近な5種類の魚に厳選してご紹介します!
エネルギー (kcal) | 水分 (ml) | たんぱく質 (g) | カリウム (mg) | リン (mg) | 塩分 (g) | |
---|---|---|---|---|---|---|
いわし(まいわし) | 169 | 68.9 | 19.2 | 270 | 230 | 0.2 |
かつお(秋獲り) | 165 | 67.3 | 25.0 | 380 | 260 | 0.1 |
さけ(しろさけ) | 133 | 72.3 | 22.3 | 350 | 240 | 0.2 |
さば(まさば) | 247 | 62.1 | 20.6 | 330 | 220 | 0.3 |
さんま | 297 | 57.7 | 17.6 | 190 | 170 | 0.3 |
※女子栄養大学 監修「栄養Pro」から引用しています。
リンはたんぱく質に多く含まれているため、たんぱく質の割合が多い食品はリンも多くなります。
魚の特徴として、肉に比べてエネルギーが少なく、リンが多いです。
それぞれの魚について、ご説明します!
透析患者さんにとって気を付けたいこと、また透析食.comの中からおすすめのメニューなどをご紹介します。
いわしは他の魚に比べてカリウム、リンはそれほど多くありませんが、エネルギーは少ないです。
リンは骨や内臓に多く含まれているので、南蛮漬けなどの丸ごと調理したものや、小骨が多いいわしを食べるときには注意が必要です。
レシピの詳細は▼こちら▼
◆栄養成分◆
エネルギー:126kcal
タンパク質:11.2g
カリウム :212mg
リン :150mg
塩分 :0.6g
かつおはカリウム、リンが多く、エネルギーが少ないです。
かつおは年に2回、初夏にエサを求めて北上する『初がつお』と、秋にたっぷり太って南下する『戻りがつお』があります。
戻りがつおは初がつおに比べて脂がのっていて、栄養も豊富です。
カリウム、リンが多いので、おやつの果物を減らしたり、他のおかずはたんぱく質を含まない料理にするなどバランスをとっていきましょう。
レシピの詳細は▼こちら▼
◆栄養成分◆
エネルギー:540kcal
タンパク質:25.1g
カリウム :754mg
リン :309mg
塩分 :2.2g
さけはカリウム、リンが多く、エネルギーが少ないです。
さけにはいろいろな品種がありますが、秋が旬の品種は『しろさけ』です。
さけの赤い身に含まれるアスタキサンチンには抗酸化作用があり、動脈硬化予防の効果が期待できます。
カリウム、リンが多いので、かつおと同様に他のおかずとのバランスを考えるといいでしょう。
エネルギーが少ないので、揚げ物にして油を上手に利用するといいですね!
レシピの詳細は▼こちら▼
◆栄養成分◆
エネルギー:228kcal
タンパク質:15.1g
カリウム :376mg
リン :185mg
塩分 :1g
さばは他の魚に比べてカリウム、リンはそれほど多くはありませんが、エネルギーは多いです。
購入する際に気をつけなければいけないのが、塩さばを誤って購入することです。
塩さばは、生のさばに比べて6倍の塩分が含まれているので、食べる量を減らさないといけなくなります。商品名をよく見て購入してくださいね。
レシピの詳細は▼こちら▼
◆栄養成分◆
エネルギー:198kcal
タンパク質:13.6g
カリウム :261mg
リン :151mg
塩分 :1g
さんまは魚の中ではカリウム、リンが少なく、エネルギーが多いです。
さんまは丸ごと一匹焼いて食べる方もいらっしゃると思います。その際骨や内臓はリンが多いので残しましょう。
また缶詰は、手軽に食べられるので利用しやすいですが、骨ごと食べられるように加熱処理されているためリンが多いです。1缶すべて食べるのではなく1/2程度にして、あとは残しましょう。
リンが少なくエネルギーが多いさんまは、透析患者さんにおすすめです!
レシピの詳細は▼こちら▼
◆栄養成分◆
エネルギー:261kcal
タンパク質:20.7g
カリウム :344mg
リン :219mg
塩分 :1.2g
◎たんぱく質
たんぱく質は体を作るのに必要な栄養素です。
不足すると体のやせや筋肉量の減少につながります。
◎DHA、EPA
魚に含まれる脂肪はDHA、EPAといったn-3系多価不飽和脂肪酸で、動脈硬化を予防する働きがあります。
透析患者さんは血管の石灰化などにより動脈硬化を起こしやすくなっていますので、ぜひ摂っていただきたい栄養素です。
◎ビタミンD
青魚にはカルシウムの吸収を促すビタミンDが豊富に含まれています。
ビタミンDは肝臓と腎臓で活性型に変化して、ビタミンDの作用を発揮します。
腎臓の機能が低下している透析患者さんは活性型ビタミンDが産生されず、カルシウムの吸収がうまくできなくなるため、骨がもろくなりやすいです。
透析患者さんには意識して摂っていただきたい栄養素です。
秋が旬の魚についてご紹介しましたが、スーパーにはいろいろな種類の魚があります。
改めて魚選びと調理のポイントをおさらいしましょう。
魚選びのポイント
◎赤身よりも脂身が多いものを選ぶ
脂肪はカリウム、リンともに少ないので、脂身が多いものを選びましょう。
◎丸ごと一匹(ししゃもなど)よりも切り身を選ぶ
魚の骨や内臓にはリンが多く含まれていますので、丸ごと一匹だとリンも増えてしまいます。
調理のポイント
◎一食の目安量は60~80g(切り身なら小1切)程度
◎魚はエネルギーが低いので、揚げ物などの調理方法を取り入れ、エネルギーアップさせましょう。
リンが多く含まれている魚には、良質なたんぱく質や脂肪が豊富に含まれており、これらは体に必要な栄養素です。
旬の魚は栄養が豊富なのでぜひ食べていただきたいです。